[取材]ハードディスクのデータ回復業社

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 ハードディスクをはじめとする磁気記録媒体からのデータ回復作業をやってくれる 業社を取材してきました。
 この業社の概要については[データ回復]のページをご覧下さい。
この取材の内容のうち、黒色の部分は実際に見たもの聞いたものですが、緑色の部分は私の推測や感想です。
イメージビデオはこちら…


 大塚商会のデータリカバリーセンターは、秋葉原から電車と徒歩で30分程度のところの ここ数年の間に建てられたと思われる真新しいビルにあった。ここには、大塚商会の いくつかの部門が入っている。受付嬢はいない、最初に応対してくれるのはパソコンの 案内係だ、もちろん電話も繋いでくれた。 この場所は、初めに書いたように、この業界の 情報収集や部材収集には非常に条件が良い、その反面、ここの場所代がコストに与える (悪い)影響は大きいと思う。

 オントラック・データ・リカバリー社(大塚商会)では、HDD、FDD、MOなどほとんど 磁気記録媒体に、NEC(N5200,N6300などを除く)、COMPAQ、IBM,DECなどのほ とんどの本体メーカに、Conner、Maxtor、Quamtum、Seagate、WD などのほとんどのドライブメーカに、Windows95をはじめとするほとんどのOSに対応している。 しかしながら、各メーカーと密接なコンタクトを取っているにも関わらず、メーカー側がOSを 公開していない場合は対応できない。 その一例として、POSシステムなどがあげられる。 よく コンビニなどで見かけるPOSシステム(レジをはじめとする業務管理システム)のOSは 各メーカが独自に開発していて非公開となっているようだ。このような一部のOSが公開されて いないものは全体の数%以下だろうから、まずほとんどの媒体からデータ復旧が出来る。 大切なデータを失って嘆いている人からすれば、これは大変ありがたいことである。

 前に紹介した私のクラッシュしたハードディスクの現物を持参し、 見てもらった。私はこのドライブの状態ではほとんど取り出せないだろうと考えていたが、 傷ついていない部分のデータは、かなりデータ回復できるということであった。 というのは、一番上のディスク面にはほとんど傷が無かったからである。この一番上の面には 一般的に重要な情報が集中している(FATがある)ので、ここが大丈夫であれば、この 情報を参考にしながら、その外のディスクの情報を読み出してデータを取り出すことが出来る。
 もしも、この部分がだめな場合はディスクの傷つき情報を絵柄にして客に返すことになる。 「基本的に考えられるあらゆる技術をつくして、データを取り出す」、それが(データ回復業社の)仕事である。
 オントラック社だけでなく、大塚商会にもクリンルームがあり、そこでドライブを空けて 見ることもある。実際にどのようなことをするのか、この辺の詳しい技術については口が堅い。 ただ、説明の課程でサーボヘッドが、ヘッドクラッシュしても、自前のサーボでホーミング 出来るようなニュアンスが受け取られた。今後は、サーボ面は無くなってくる(データ面に サーボ情報があり、自ヘッドの読み出し情報でサーボをかける)ので、この 技術はあまり使われないかもしれない。
 ボードが故障している場合はボード交換で対応する。 ボード上のフラッシュメモリなどに 書き込まれた情報の読み出しや書き込みなどの技術も持っているらしい。


 大塚商会データリカバリーセンターへの問い合わせは、月に約200件あり、 そのうちの50台くらいが実際にデータ回復作業を依頼してくる。そして、 その数は増える傾向にある。これらの顧客は企業や官公庁などで、個人レベル の依頼はほとんどない。 これはひとえに値段が高いことと、失ったデータの価値が それほど大きなものでないということであろう。
「個人レベル向け」や「もっと安い値段で」という需要に対してデータ回復 するソフトを販売している。このソフトはクラッシュした後に買っても対応 が出来る。しかしながら、大塚商会の方は「慌てているのでよくない、他にも多数の機能がある のであらかじめ買ってください」としている。やはり商売人である。 ソフト「Ontrack Data Recovery for NetWare」の価格は8万円で、1サーバ分、クライアント数は 無制限、ただし、このnetwear版のみしかない。
 最近は1GBクラスのドライブの依頼が多い。どのくらいの使用期間で 故障したかはわからないが、購入からわずか2週間でいってしまったものもある。


 気になる将来の展望について聞いてみました。 今後、信頼性を重要視するサーバなどのシステムではディスクアレイなどの 多重化システムが導入されるであろうが、この多重化システムによって データ回復の業務は格段に減るのではないか?  ディスクアレイもデータ回復の対象としている。既にデータ回復を行った 実績もある。ただ、データ回復を依頼してくるときは、2台同時に逝って いるので、データ回復作業はかなり難しい。また、テープのドライバ組み 込みを行う際に手順に間違いがあり、ディスクアレイにアクセスできなく なった例もある。使い方、マニュアル、手順のわかりにくさが原因による ヒューマンエラーである。もう一つ、ミラーリングシステムでは 同時に両方が逝ってしまうことがある。これは、ファームウェアなどにバグあるな どの理由で発生する。 いずれも、この辺の技術は難しく、今後もなくなることは ない。反面、対応も難しくなっているが…。

 新技術はオントラック社より入手し、日本独自の技術は大塚商会が各国内 メーカとコンタクトしている。ただ、なかなかこれらの技術交流では すばやい対応が出来ていないのが現状だ。各メーカの交換用のボードを 探してもメーカから入手できなかったりするなど困っている。

 最後に
 たとえば、10GBものデータ回復をした場合は1000万円にもなる。 これはあまりに高すぎるので、割引している。 料金は決まっているようで、決まっていないようなので、まずは相談する するのが良いでしょう。
 残念ながら、Ontrack社との契約により大塚商会でデータ回復している 風景を見ることは出来なかった。参考のためにビデオを借りることは 出来たが…。 

 追加情報 1997.03.20
 取材以降にみなさまからの依頼により何点か電子メールにて問い合わせをしております。 その内容を紹介しておきます。
 Q.特定のファイルのみ(拡張子が j?w など)をデータ回復するという依頼は可能か?
 A.j?w のような拡張子指定での初期復旧はできません。当然ですが全ファイル復旧後、 拡張子指定で返却することは可能ですが、ビジネスの上での金額は変わりません。

コメント
 将来も、この業務は無くならないだろうという感触を得ました。 さらなる、技術の積み重ねとデータ復旧に対する努力に期待します。 また、ディスク装置製造業社には、このデータ復旧業社に頼らなく てもすむシステムの開発研究に努力されますよう期待します。 特にセットアップ中に手順のミスでデータが消されたりする 単純な(バカよけ)くらいは用意しておいてほしいですね。  


謝辞
 大塚商会データリカバリーセンターの皆さん、お忙しいところ、どうも ありがとうございました。今回が私の初取材でした、至らぬ点が多々ありましたが、 親切な対応、大変ありがとうございました。



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